旅館業(簡易宿所)とは


旅館業法では、旅館業とは「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義されており、「宿泊」とは「寝具を使用して施設を利用すること」とされています。この旅館業を経営する場合は、旅館業法に基づく営業許可を得なければならないこととなっています。

 

住宅を利用する場合であっても、有償で繰り返し宿泊所として提供する「民泊サービス」を行うことは基本的に旅館業にあたるため、旅館業法に基づく許可を得ることが必要となります。旅館業法に基づく許可にはいくつかの種別がありますが、住宅宿泊事業(民泊新法)の届出をせずに民泊サービスを行う場合には、簡易宿所営業で許可を取得するのが一般的です。

 

※旅館業法上の許可を得ずに旅館業を行うことは、旅館業法違反にあたります。

旅館業の種別


1.旅館・ホテル営業

施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの

 

2.簡易宿所営業

宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業(ペンション、ユースホステルなど)

 

3.下宿営業

施設を設け、1月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業

 

許可の取得にあたっては、使用する施設の構造設備が基準を満たす必要があります。そして、許可を得るためには、民泊サービスを行う予定の施設(住宅)の所在する都道府県(保健所を設置する市、特別区を含む)の保健所に申請する必要があります。

 

なお、平成28年4月に簡易宿所の許可基準(最低床面積の基準)が緩和され、従来よりも容易に簡易宿所営業の許可を取得できるようになりました。

旅館業(簡易宿所)のメリット・デメリット

365日営業可能

旅館業許可の最大のメリットは1年365日毎日営業できることでしょう。もちろん特区民泊のような最低滞在日数もなく、1日単位で宿泊させることが可能です。


用途地域が限られる

旅館業は、住宅専用地域など一定の用途地域内での営業はできません。また地域によっては、別途条例による要件があるので注意が必要です。


フロント(または代替設備)が必要

フロント設置義務が撤廃されたのは大きなメリットとはいえ、依然として宿泊者の本人確認をするための体制は求められます。(監視カメラでの確認等)また、共同住宅やオフィスビルの一角で行う場合は、動線の問題もあります。


管理人の24時間常駐義務

要件が緩和され、同一建物内だけでなく、10分以内に駆けつけられる近隣管理事務所での常駐も認められるようになったものの、管理人の24時間常駐義務は、旅館業許可の大きなネックの一つです。


用途変更の確認申請

戸建や共同住宅、オフィスビルなどで旅館業を行う場合、建築基準法の用途が変わりますので、用途変更の確認申請が必要になります。(ただし法改正により緩和措置あり。)


旅館業営業開始までの流れ

①事前相談・・・申請を開始する前に都道府県等の旅館業法担当窓口に相談します。

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②許可申請・・・書類の提出と手数料の納付をします。

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③施設検査・・・施設が構造設備基準に適合していることを確認するための保健所職員等による立入検査。

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④許可・・・申請から許可までの標準的な期間は数週間程度です。

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⑤営業開始・・・清掃などの衛生管理を適切に行うこと、宿泊者名簿を備えることが義務づけられています。

業務ご依頼の流れ

「旅館業(簡易宿所)の許可申請」をご検討の方は、まずはお気軽に相談から始めてください。

STEP1 お問い合わせ

 

電話・LINEまたはフォームにてお問い合わせください。


STEP2 面談相談・事前調査

 

一般的なご相談の場合には「面談相談」を実施します。

物件が決まっている場合には「事前調査」(現地調査・行政庁事前相談)を実施します。


STEP3 申請手続のご依頼(契約締結)

 

民泊事業を開始する、と決断された場合には申請手続きをご依頼ください。