「土木工事業(01)(土木一式工事)」工事内容の例示と専任の技術者資格要件

土木工事業(土木一式工事業)は、どのような建設工事をする業種なのか、その工事内容の例示と、専任の技術者や工事現場に配置する技術者の資格について、みていきたいと思います。


土木工事業(土木一式工事)の建設工事の内容と区分の考え方


土木工事業(土木一式工事)の建設工事の内容は、

 

総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造または解体する工事を含む。)

 

というものです。

 

ある書籍には、管渠工事、トンネル工事、道路工事、宅地造成工事、護岸工事、堤防工事、砂防工事、防波堤工事、ダム工事、水路工事、港湾工事、地下鉄工事、鉄道軌道工事、橋梁工事、土木工作物の解体・除去工事などが例示として記載されています。

 

いわゆる土木系のゼネコン会社が施工する工事のようです。

 

さらに、建設業許可事務ガイドラインに記載されいる建設工事の区分の考え方は次のようになっています。

 

●「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は『土木一式工事』に該当する。

●上下水道に関する施設の建設工事における『土木一式工事』、『管工事』及び『水道施設工事』間の区分の考え方は、

・公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事が『土木一式工事』であり、

・家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事が『管工事』であり、

・上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事が『水道施設工事』である。

・なお、農業用水道、かんがい用配水施設等の建設工事は『水道施設工事』ではなく『土木一式工事』に該当する。


一般建設業の専任の技術者となれる「資格を有する技術者」


ここでは、「資格を有する技術者」についてご紹介します。

 

・1級建設機械施工技士(11)

・2級建設機械施工技士(第1種~第6種)(12)

・1級土木施工管理技士(13)

・2級土木施工管理技士(土木)(14)

・技術士(41):建設(「鋼構造及びコンクリート」を除く)・総合技術監理「建設」(「鋼構造及びコンクリート」を除く)

・技術士(42):建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理「建設-鋼構造物及びコンクリート」

・技術士(43):農業「農業土木」・総合技術監理「農業-農業土木」

・技術士(49):水産「水産土木」・総合技術監理「水産-水産土木」

・技術士(51):森林「森林土木」・総合技術監理「森林-森林土木」

 

いずれかの資格を有する者であれば、一般建設業での土木工事業(土木一式工事)の専任の技術者や工事現場に配置する技術者になることができます。

 

なお、「資格を有する技術者」以外に「実務経験を有する技術者」があります。

それは、指定学科を卒業後一定期間以上の実務経験がある技術者(01)、10年以上の実務経験を有する者(02)です。土木工事業(土木一式工事)の一般建設業の専任の技術者や工事現場に配置する技術者になることができます。

詳細は、別のブログ記事の”学歴と実務経験(01)or実務経験10年以上(02)で”専任技術者となることができます”にてご紹介しています。


特定建設業の専任の技術者となれる「資格を有する技術者」


・1級建設機械施工技士(11)

・1級土木施工管理技士(13)

・技術士(41):建設(「鋼構造及びコンクリート」を除く)・総合技術監理「建設」(「鋼構造及びコンクリート」を除く)

・技術士(42):建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理「建設-鋼構造物及びコンクリート」

・技術士(43):農業「農業土木」・総合技術監理「農業-農業土木」

・技術士(49):水産「水産土木」・総合技術監理「水産-水産土木」

・技術士(51):森林「森林土木」・総合技術監理「森林-森林土木」

 

いずれかの資格を有する者であれば、特定建設業での土木工事業(土木一式工事)の専任の技術者や工事現場に配置する技術者になることができます。

 

なお、指定学科を卒業後一定期間以上の実務経験がある技術者(01)、10年以上の実務経験を有する者(02)は、土木工事業(土木一式工事)の特定建設業の専任の技術者になることができません。


専任の技術者の「資格を有する技術者」であることを確認(証明)する書類について


有効な資格についての資格者証や免状、合格証の写しの提出が必要です。この書類は、専任の技術者本人が所持しているものと思います。

 

確認(証明)書類は、許可をする都道府県・地方整備局により異なります。

写しを提出し、原本で確認するところもあるようです。事前に確認して下さい。

 

私が常日頃、依頼を受けて、申請書の作成をしたり、申請代理をしています、大阪府知事許可の建設業許可の担当課であります大阪府建築振興課発行の「建設業許可申請の手引き」に基づいて記載しています。

 

なお、どのような確認書類が必要なのかは、許可をするそれぞれの都道府県や国土交通大臣の建設業許可を行うそれぞれの地方整備局により異なっています。大阪府以外の役所に申請する場合は、お近くの行政書士か、担当の役所に事前に確認していただくことをおすすめします。

 

たとえば、大阪府に本店がある国土交通大臣許可の事務を担当しています近畿地方整備局が求める確認(証明)書類や法定書類の記載方法は、大阪府と異なっています。